大人はすごい

私が子供の頃は、大人は偉そうに見えていた。

自分の身の回りに何らかの事象が発生したとき、その事象から課題を取り出して、ここが問題だと言い、解決にはこれをすべきだと言う。

追いつけなかった。 私には問題に見えないものが指摘されるし、問題に見えていたとしてもその解決策が妥当なのか判断できない。 膨大な情報が一方的に私の中に流れ込んでくるので、大変だった。 だから、大人は偉そうなことを言ってくるということをぼんやり思っていた。

そんなことを考えていた頃から、もう少しの時間を生きると、いつの間にか何も思わなくなっていた。 偉そうな大人はどこに行ってしまったのだろう。

どうやら大人として生きるということは、もっと上手くやろうとすることらしい。

ある行動を評価し、それと比べてもっと上手い行動があれば、より上手くない行動は問題に見えるのだ。 だから、見渡す限り問題で溢れているんだなぁ。

それなら、子供の何気ない行動が問題に見えるのも分かるし、日頃から問題に対処し続けているから適切な解決策を持っているのも分かる。

毎日のように問題を見つけて、改善を求められ、解決しているなんて、「大人はすごいなぁ」。
私が子供の頃に気づいていたら褒めてあげるだろう。